ひさしぶりに、もう何年ぶりだかちょっと考えてしまうほどひさしぶりにばななさんの小説を読みました。 ばななワールド健在、というかほんとうにものすごい威力で成長していました。さらさらと、どろどろと、作家であるしかもうどうしようもないじゃないか、という匂いをぷんぷんさせて。もう心底頼もしいったらありゃしない。でもそれは好き嫌いと作品(まるごと)から何か(大きなもの)をびしびし受け取れるか、まったくちんぷんかんぷんで不愉快にさえなるか、の両極端でもあるので、他の人には私は薦めません。彼女のような作家というのは、必要とするひとのもとにきっちり届くように出来ている気もするし。 例えば、彼女という作家やその作品について、ちょっと仲良くなれそうな男子に、『5分後の世界』や『愛と幻想のファシズム』を「古いけど古くないよ」みたいに言うような感じでは、話題にしない。 たまたま、吉本隆明氏の書籍を読んでもいるのだけれど、今は心からしみじみと「…この人が家庭というなかで父親という役割でいたのはさぞかし…」と思う。彼女自身が自分について「超バッドな環境に育った子供」と言うのもものすごくわかる気がした。いや、あくまで「そんな気がした」くらいのライトなことで、そんなライトに言っちゃいかんことだけれど…。 比較するものじゃないが、うっかり比較してしまうと、うちなんてチンケなもんだ。うちの父親の毒っぷりなんてショートケーキみたいなものだろう。 そんな他愛もないこと、でも実はすごく根本的なこと、感じ考えあぐねながらの素敵な読書でした。